共通科目情報処理(実習)、国際総合学類対象、1996年12月13日 電子・情報工学系 新城 靖 <yas@is.tsukuba.ac.jp>
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/mnews-email.html
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電子メール(e-mail, electric mail)は、電話や(普通の)手紙と同じよう に、個人と個人の間で情報を交換するための仕組みです。電話と比べて電子メー ルの面白い所は、相手がその時なにをしていても、メッセージを送ることがで きます。メッセージを受けとった人は、自分が好きな時に電子メールを読むこ とができます。普通の手紙と比べると、電子メールの魅力は、非常に早いこと にあります。アメリカまで数十秒で届くこともあります。電子メールに浸った 人の間では、普通の手紙のことを、カタツムリ・メール(snail mail)と呼ん でいます。
電子メールは、普通の手紙と同じように、次のような基本的な操作があります。
このページでは、練習として、次のようなことをしてみます。
------------------------------------------------------------ Date: Fri, 13 Dec 1996 00:04:13 +0900 (JST) From: Yasushi Shinjo電子メールの文書は、大きく次の2つに別れます。To: s991001@ipe.tsukuba.ac.jp (Shinjo Yasushi) Subject: [ipe/kokusai2] first mail (s991001) Message-Id: <199612121504.AAA16717@hlla.hlla.is.tsukuba.ac.jp> 新城 靖 さん 情報処理演習担当の新城です。こんにちは。 これは、「電子メールを読む」という課題のためのメールです。 全員に同じ内容のメールを出しています。 授業では、「学生支援メニュー」の「電子メール」ではなく、 mnews というプログラム(コマンド)を使って電子メールを読み書 きします。mnews は、もともとはネットワーク・ニュースを読むた めのプログラムです。それで mnews では、ネットワーク・ニュー スとほとんど同じ方法で電子メールを扱うことができるようになっ ています。 \\ 新城 靖 (しんじょう やすし) \\ \\ 筑波大学 電子・情報 \\ ------------------------------------------------------------
ヘッダの部分では、To: の部分がなければ、相手に届きません。 From: は、普通メールを送る時に自動的に付けられます。これは、 相手が返事を出すときに作られます。Subject: は、大量の電子メー ルの中から目的の電子メールを探す時に重要なキーワードになりま す。メールを出すときには、きちんとした Subject: を付けるよう に心がけてください。
本文は、普通人間が読むだけで、電子メールを転送するプログラム が内容を解釈することはありません。ですから、得に形式はこだわ らないのですが、それでも普通の紙の手紙にはない独特の習慣があ ります。
電子メールと行っても、世の中の常識はそのまま通じます。始めて 電子メールを出す時や、目上の人に出すときには、普通の紙の手紙 と同じように気を付けるべきです。普通の手紙と少し違うことは、 比較的短い期間の間に返事を出すことが重要であるということです。 返事がないと、読んだのか読まなかったのかわかりません。 また、ネットワークのトラブルで本当に電子メールが無くなってし まうことがあります。
電子メールでは、漢字で1行も30文字から35文字(英数字の場 合は、60文字〜70文字)で折り返す習慣があります。これは、後で 説明する「引用」ということをやりやすくするためです。
電子メールの末尾には、「署名(signature)」といって、漢字の名 前や所属などを書く習慣があります。アルファベットの名前や電子 メール・アドレスは、From: に自動的に埋め込まれます。しかし、 漢字をそのまま From: に埋め込むと、電子メールを転送するプロ グラムがうまく扱えないこともあります。ですから、本文には、漢 字の名前を意識的に含める習慣があります。署名に付けることもあ りますし、本文の先頭に「名乗る」こともしばしば行われます。
電子メールでは、カタカナを書く時に、普通のテキストで漢字と同 じ大きさのものを使う約束があります。カタカナには、英語のアル ファベットや数字と同じ大きさのものがあります。詳しくは、後半 の授業で説明します。
mnews は、正面のパソコン(FMR,Mac)ではなく、裏で動いているコンピュータ
(Sun)で動いています。mnews を動かすには、Sun に接続して、
コマンドモード で、「mnews
」と打ちます。詳しくは、
「mnewsでネットワーク・ニュースの記事
を読む」の
mnewsコマ
ンドの実行の部分を見てください。
mnewsを終了するには、qを何度か打ちます。終了すると、
「コマンドモード
」にもどり、画面に「%
」と表示
されます。
この講義の受講者全員に電子メールを出しました。その電子メールを読んでみ ましょう。
電子メールは、「メール・ボックス
」と呼ばれている保管場所
(ファイル、詳しくは水曜日の講義でも話す)に保管されています。
メールボックスには、次の2種類があります。
配送プログラム用メール・ボックス
。
個人用メール・ボックス
。
mnews を実行すると、次のような画面になります。
図1-3 mnews の実行直後の画面(再掲)
電子メールを読むためには、mnews を実行して現われる項目で、
MAIL
を利用します。そのためには、カーソルを動かして
スペース・キーか
iキーを押して選びます。すると次のような画面
になります。
ここで、上から2行目が「メールボックス
」となっていること
から、これが「個人用メールボックスの」の内容を表示していることがわかり
ます。ここで表示されているメールは、ネットワーク・ニュースの記事と同じ
ように、j,k でカーソルを動かして選び、スペー
スキーかiで選ぶことで、その内容を表示させることができます。
新しいメールが「配送プログラム用メール・ボックス
」に届い
ていたとしても、そのままでは読むことができません。そこから、
「個人用メール・ボックス
」に移動させる必要があります。
それには、I (大文字のI)を使います。
この作業を、「新しいメールを取り込む」といいます。
この講義の受講生には、あらかじめメールを1通打っておきましたので、1つ 以上のメールが表示されるはずです。この講義の受講生ではない場合、下で説 明する方法で自分あてに電子メールを書いてみて、「新しいメールを取り込む」 練習をしてください。
この状態で電子メールを読んだり書いたりすることができます。 図2-1 では、1通電子メールが届いていることがわかります。 日付(Date:)、行数、差出人(From:)、サブジェクト名(Subject:)では、 それぞれヘッダの一部が表示されています。この画面では、読みたいメールにカーソルを合わせて、空白キー (SPACE)か、i と打つと、次のような画面に変り、そのメールの内 容が読めます。
短い電子メールの場合、全体が表示されます。長い電子メールの場 合、1画面分(1ページ分)表示した所で止ります。 ここでは、次のような操作をすることができます。
---------------------------------------------------------------------- キー 動き | キー 動き ---------------------------------------------------------------------- SPACE 1ページ進める | b 1ページ戻す j 1行進める | k 1行戻す q このメールの終了| ? ヘルプの表示 n 次の未読メールへ| p 前の未読メールへ N 次のメールへ | P 前の未読メールへ ----------------------------------------------------------------------
自分あてに電子メールを送ってみて、それを読む練習をします。
電子メールを送るには、m というキーから始めて、次のような手順 になります。
s学籍番号@ipe.tsukuba.ac.jp「s学籍番号」は、ログインの時に「login: 」に大して打込むもの です。パスワードではありません。「コピー宛先(cc)」には、自分 のアドレスが表示されているはずですので、そのまま
自分に電子メールを出すことに成功した人は、次に隣にすわってい る人にアドレスを聞いて電子メールを出してみて下さい。
mnews は、「コピー宛先(cc)」には、自動的にあなたのメール・アドレスを設 定します。これは、誰かに送るメールの控えを自動的にとるための機能です。
項目5で、mnews から一時的にエディタのプログラムに切り替わり ます。次はエディタの使い方を簡単に説明します。
mnews で電子メールを出す時には、ヘッダの部分は mnews が問い 合わせて来ます。これに対して、本文の方は、エディタと呼ばれる、 別の文書作成用プログラムにより作ることになります。現在の設定 では、ng という名前のエディタが実行されます。ng は、emacs と いうエディタの機能を簡単にしたものです。
次の図は、mnews で電子メールを出す時に、ヘッダの部分の打込み
が終わって本文の部分を作るために自動的にエディタ ng が起動さ
れた所です。
図2-2 mnewsから起動されたエディタngの画面
エディタ ng では、普通の文字(アルファベット、記号、漢字)を 打込むと、そのままカーソルのある位置に挿入されます。また、矢 印キー(4つ並んでいる←,→,↑,↓、カーソルキー)で、カーソ ルの位置を変えることができます。
ここでは、電子メールの本文を書きます。ヘッダの部分を修正してもかまいま
せん。本文を書くには、矢印キー(↓)を使ってカーソルを
--text follows this line--
の次の行まで移動させます。
電子メールの本文を書き終えたら、作成した文書を「保存」して、 エディタを「終了」させます。保存するには、次のように打ちます。
^X^Sここで、^Xは、コントロール・キー(control, ctrl, キー ボードの左下)を押しながら、xを1度押すという意味で す。これを、次のように書くことにします。
C-x C-sエディタを終了させるためには、次のようにします。
C-x C-cemacs でよく使うキーをまとめておきます。
------------------------------------------------------------ C-x C-s 保存 C-x C-c 終了 Delete または C-h 左の文字の削除 C-k カーソルから左の行末まで削除 (行末の場合は、改行の削除) ESC q 行の折り返し C-g 何か困った時には、何度か打つ。 ------------------------------------------------------------「C-」は、コントロール・キーの意味。詳しくは、 →手引き(入門編)[55-61]。
ESC qESC は、esc と書かれたキーを押すことを意味します。 空行で区切られた範囲を段落(パラグラフ)としてみなして、カー ソルがある段落について、1行35文字になるように、折り返して くれます。
mnews で返事を出すには、返事を出したいメールにカーソルを合わせて R (大文字)と打ちます。すると、次のような画面になります。
新たにメールを出す(「メールボックス」でm)では、宛 先や題目(Subject:)をいちいち打込まなければなりませんでした。 返事(「メールボックス」でR)では、宛先も題目も自動 的に作られます。
返事 R では、「>>」に続いて相手のメールの内容が取 り込まれます。これを、引用といます。ここで、相手の電子メールの内容に関 して、不要な部分を削除し、必要な部分だけを残して、自分の返事を書きます。 引用は、必要最小限にとどめるように注意して下さい。名乗り、署名や挨拶の 部分など、返事に関係ない部分を必ず削るようにします。
ng (emacs) で、不要な部分を消すには、行末まで削除のC-k ( ^K, Control-k) が便利です。さらに、消したい場所の最初で C-@ (Control-@, 本来はControl-スペース・キー)を打ち、消したい 場所にカーソルを移動させて C-w と打つ方法もあります。
電子メールの本文が完成したら、保存(C-x C-s)して、終了(C-x C-c)します。後は、内容の確認をして、送信します。
R(大文字)代わりにr(小文字)も、返事を出すことができま す。ただし、rでは、「>>」による引用は行われません。 宛先と題目は、R と同じように自動的に作られます。
(1) mnewsを使って、自分あてに電子メールを送ってみなさい。
(2) mnews を使って、個人用メール・ボックスの内容を表示しなさい。 そこにメールが保管されていたら、それを読みなさい。
(3) 送られてきたメールを、配送プログラム用メール・ボックスから個人用メー ル・ボックスに「取り込んで」表示しなさい。
(4) 隣に座っている人とメールを交換しなさい。 このとき、cc: の機能で控えがとられていることを確認しなさい。
(5) 隣に座っている人からもらった電子メールに返事を出しなさい。