共通科目情報処理(講義)、生物資源学類対象、2000年09月26日 電子・情報工学系 新城 靖 <yas@is.tsukuba.ac.jp>
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情報量や記憶容量の感覚を持ちたい。
人間は(コンピュータがなくても)さまざまな幻影を使っている。
情報量や記憶容量の感覚を持ちたい。
コンピュータをうまく使うためには、コンピュータの内部にある記憶のための 部品の性質、1つの部品で記憶できる容量を知る必要がある。
ファイルとは
ディレクトリとは
このような問題を解決するための仕掛がファイルである。ファイルは、(後述 するオペレーティング・システムというプログラムの働きで)、大きな記憶媒 体を扱いやすい大きさに分割して、かつ、記憶媒体が変わっても同じように扱 えるようにしたものである。
ファイルには、情報を保存する役割に加えてもう1つ大事な機能がある。それ は、「情報に名前を付ける」という機能である。この機能は、あたりまえすぎ てすぐに有難みがわかないかもしれない。しかし、もし全ての自分の情報をフ ロッピ・ディスク1枚1枚に入れてフロッピのラベルに書かれた情報の名前を 自分で読んで操作しなければならないことを想像すれば、情報の名前を計算機 が管理してくれる有難みを実感であろう。
ファイルに名前を付ける働きを持っている仕掛けは、ディレクトリ (directory)と呼ばれています。ディレクトリは、フォルダ(folder)と呼 ばれることもある。コンピュータの中では、ディレクトリは、ファイルの名前 の一覧表として現れる。
♪涙のフォーマット。フィジカル・フォーマット。
記憶媒体の種類
買ってきた記憶媒体。ビットを保存するための小さな場所が並んでいる。その
ままでは、ファイルを作成することはできない。
図? フォーマットされていない記憶媒体 図? フォーマットされた記憶媒体
ファイルを作ると、名前がディレクトリに記録される。ディレクトリには、デー
タがどこにある場所や属性が記録される。
図? ファイルがつくられた記憶媒体
フォーマットの方法には、2種類ある。
物理フォーマットという考え方がない記憶媒体もある。たとえば、光磁気ディ スクなど。
同じ物理媒体でも、フォーマットの方法は違う。フロッピでデータを交換する 時には、双方のコンピュータで扱えるものを使う。よく使われるものは、 「MS-DOS 1440KBフォーマット」と呼ばれるものである。
ファイルの内容による分類
テキスト・ファイルは、次のような所で使われている。
テキスト・ファイルを作ったり、内容を修正するには、テキスト・エディタ (text editor)というプログラムを使う。実習では、mnews で電子メールを書 く時に、emacs (mule) という名前のテキスト・エディタを使う。実習室のパ ソコンには、「メモ帳」、「秀丸エディタ」という名前のテキスト・エディタ が使えるようになっている。
オペレーティング・システム(Operating System, OS)とは
徒然草(つれづれぐさ)。八になりし年。最初の仏問題。
OSは、他のプログラムを実行するプログラムである。 他のプログラムは、OSの力を借りてはじめて実行される。
ではOSは、誰が実行するか。
ブート・ストラップ(Boot strap,靴ひも)。 ほら吹き男爵は、底なし沼に落ちた時に、自力で脱出するために、自分の靴ひ もにつかまって脱出した。
自分が使いたいソフトウェアが動作するようなOSとCPUを積んだパソコン を買う。
図オペレーティング・システムの構成要素
一番人間(利用者)の目につきやすいのは、シェル。
コンピュータには、2種類の記憶するためのハードウェアが使われている。
仮想記憶とは、実際に備えているメモリ容量よりも大きなプログラムを動かす ための仕組みでである。たとえば、仮想記憶を使うと、メモリが100Mバイ トしかないコンピュータで、200Mバイトのメモリを使うプログラムを実行 することができるようになる。もともとは、1つのプログラムで実際のメモリ 容量以上のものを使うための仕組みである。最近では、 複数のプログラムが使うメモリの総量で考えることもある。
仮想記憶の基本的なアイディアは、 すぐに使うところだけを速いメモリ(IC)に、当分 使わない所を、遅いハードディスクに置き、ディスクとメモリの内容を入れ替 えながら仕事を進めることである。この時、速いメモリを主記憶(main memory, primary storage)、遅いハードディスクを二次記憶(secondary storage)とい います。
一番いいのは、OPTアルゴリズムだが、実現不可能。未来の情報を使うので。 LRU は、過去の情報を使って未来を予測する方法。
野口悠紀雄の 「超整理法」の押し出しファイルは、LRUアルゴリズム。
アルゴリズム(手法、算法)とは、問題を解くためのあらかじめ記述された定義 の明確な規則、あるいは、指示の集まり。日本語などで書くこともできる。直 接的にはコンピュータでは実行できない。なんらかの方法で実行できるように なったものは、プログラムである。
仮想計算機。仮想現実感。 ファイルは、ハードディスクを仮想化したものである。
類語:論理(←→物理、物理フォーマットと論理フォーマットも参照)
反語:実(real)
辞書の定義は、今一つ。仮想記憶との類推で仮想という考え方を押さえたい。
プログラムとプロセス。
プロセスとは、オペレーティング・システムによって メモリに読み込まれ、実行可能になったプログラム。
単にファイル(ハードディスク)に入っていも、プログラムはプログラムであ る。 1つのプログラムを同時に2個動かすことを考えると、プログラムとプロセス の違いがわかる。
プロセスの類語
プロセスは、コンピュータの中で利用者の代理という意味がある。利用者は、 コンピュータが持っているハードウェア資源を利用したい時、直接コンピュー タの中に入り込むことはできない。そこで、代理人としてプロセスを作る。プ ロセスは、利用者の代わりに、計算機の中で活動する。
プロセスを作るには、プログラムを実行する。WindowsやMacintosh では、プ ログラムが入っているファイルのアイコンをダブルクリックする。Unixでは、 プログラムが保存されているファイルの名前をキーボードで打ち込む。
プロセスを消す(殺す)には、実行しているプログラム(プロセス)の終了の 手順を行う。
時にプロセスを強制終了する必要か出てくる。